はじめに
かつて日本の経済は20世紀の水準、社会は19世紀の水準、政治は18世紀の水準と云われていた。昭和42年、政治家の汚職と腐敗を伴う「黒い霧事件」が発生し、国民の政治に対する信頼は失墜したかに見えた。しかし、その年の選挙では与党が大勝した。国民が見事に18世紀の水準を証明してみせたのだ。政治学者の篠原氏は政治家と国民との溝は、むしろ「国民側が支えている」と指摘する。その上で日本の政治に対する「動」のない風土を解き明かす。半世紀以上も前に著された本であるが現在と何も変わりがない日本の政治風土、政治状況に驚かされる。
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