少年とライオン
思えばグリム童話やアンデルセン童話は残酷さで満ちている。日本の舌切り雀だって怖い話だ。少年がライオンに食べられた結果、念願の強さを獲得する「少年とライオン」は第5回創作短編メルヘン賞で入選を逃がしている。メルヘンと童話は違うのだろうか。審査員のやなせ・たかし氏は、この作品は画家ルソーの「眠るジプシー女」を彷彿させると評している。メルヘンに造詣のない私はマキャベリの「君主論」が浮かんだ。弱い者は「長いものにまかれて」その派閥の一員になり、強い者の仲間入りが出来る。
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