地球の記憶を求めて
19世紀中葉まで地質学会では旧約聖書のノアの洪水の影響もあり、洪水説が支配的だった。その説を打ち砕いたのがアルプスのカモシカ撃ちの農民ペローダンだった。彼はアルプスの谷間が、かつて氷河でみたされていたことを発見した。まさに氷河時代の大発見だった。氷河はアルプスのみならずヨーロッパ全土に広がっていて、のちに「第四紀」(260万年前〜現在)と名付けられた。この時代は人類の時代でもあった。我々ホモサピエンスは新石器文化を起こし農業や牧畜を始めた。第四紀は我々人類の記憶の足跡であり、これから起こる大噴火、地震、津波、気候変動の予告でもあるのだ。
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