アイヌ語研究の先駆者
我々日本人は自国語すなわち日本語があって当たり前と思っている。なくなるなんて考えもしない。ところが多くの民族の言葉は失われたり復活したりしている。フランスの作家アルフォンス・ドーデの名作「最後の授業」ではドイツに敗れた国境の街で、フランス語の最後の授業が行われ、生徒から駆けつけた村の老人までが涙するシーンが描かれていて、教師は「母国語を保つ限り我々は牢獄の鍵をもっている」と慰める。日本も他国やアイヌ民族に日本語を強制してきた歴史がある。それゆえに母国語が失われる悲しみに鈍感になってはいけないのだ。