カンダハールへ
ワールドトレードセンターがイスラム過激派に襲撃されたとき(9.11)、欧米のマスコミは大騒ぎになったが、ある歴史学者が「作用があるから反作用があるのだ」と冷静に語っていたことが記憶に残っている。西アジアの要所のアフガニスタンは絶えず大国からの外圧にさらされてきた歴史をもつ。初めはイギリス、次はソビエト、そしてアメリカ。アフガニスタンの苦難の歴史は小国にとって「独立を保ち、自分たちの宗教、伝統、文化、慣習を守る」ことがいかに困難に満ちているかがわかる。繰り返される過酷な外圧の<反作用>としてイスラム教の原理を固く守る過激派が誕生したのだ。