人間が笑うとき
人間だけが笑う。しかし、よく考えてみれば、何かが面白くて笑っている時間と同じぐらいに、悲しかったり、怒ったり、寂しかったり、あるいは照れくさかったり、実にいろんなシチュエーションで笑っていることに気づかされる。子供の頃、葬式の場で涙を流しながら笑う親戚を見たり、教室で生徒に怒りながら笑う先生に出会ったこともある。人は笑うことで、なんとか心のバランスを保っているのかもしれない。まさに笑いは感情のラジエーターだ。裾野が広い笑いの文化について、学生時代、もっと文学や歴史、社会学の授業でも教えてほしかったと思う。