口紅から機関車までデザインする
海外出張をすると、デザインにこそ国民の感性が滲み出でいるのでないかと思う。空港、駅、バス、地下鉄、ビル、学校、オフィスまで、まるで違う。フランクフルト空港に降り立ったとき、マシンの中にいるようなシルバーの世界だった。列車でパリに移動すると、今度は赤と黒が基調で高級ホテルのロビーにいるかのようだった。さて日本はどうか。昔から新幹線と東京タワーは「日本のデザインの総結集」と思えてならないのだ。戦後、日本のデザイン界がまだグルーバル化にさらされてない時代に出来たデザインなので、濃厚に国民の感性が凝縮、維持されているように思えてならない。